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親知らず抜歯したほうがいいの??
抜きたくないから放置していいの??

親知らずを抜歯したほうがいいけど、痛そうだし腫れる、実際はどうなのって、感じている方多いと思います。
今回は抜歯をしなかった結果、臨在歯(りんざいし:隣の歯)まで影響がでてしまったケースと親知らず抜歯を選択しなかったことでメリットがあった症例をご紹介したいと思います。

抜歯をした方がいいケース

30代男性の症例

主訴 歯が染みる、たまに激痛が走る。
治療回数 5回
手術時間 麻酔時間7分程度 抜歯15分

20代女性の症例

主訴 歯が痛い。食べ物が詰まると痛い。
治療回数 3回
手術時間 麻酔時間7分程度 抜歯15~20分
術者コメント 親知らずを抜歯しなかったことにより、第二大臼歯にまで虫歯が進行してしまいました。その結果、第二大臼歯の神経を抜く(抜髄)ことになってしまいました。虫歯を放置することが周囲の歯に悪影響を及ぼす可能性があります。こまめに定期健診をして、怖いかもしれませんが勇気をもって抜きましょう。状態の悪い歯を残すことは適切なことではありません。

親知らず抜歯しないことで、結果的に良かったケース

20代男性の症例

術前

術後6か月
第二大臼歯を抜歯しそのスペースに親知らず(第三大臼歯)が萌出してくれました。


術後経過10カ月

主訴 歯が黒い。6ヶ月前は痛かったが、今は落ち着いた。
治療回数 6回(上顎第二大臼歯の抜歯。その後、約8ヶ月間の経過観察しました。)
治療費 抜歯の治療費(矯正の治療費はかかっておりません)
術者コメント 上顎第二大臼歯と上顎第二小臼歯抜歯をおこない、その間矯正装置装着等の治療は一切せずに、1か月半~2か月毎のメインテナンスにて経過観察しておりました。(抜いたスペースに親知らずが、萌出してほしいと願いながら(笑))
6か月後……スペースを埋めることができました。ただしっかり咬合付与(咬み合わせを安定させる)させるためには矯正治療が必須になりますが、経済的な負担も大きくなります。他に治療を行わないといけない箇所も多々認められたため、そちらの治療を優先しいたしました。
患者様が若年層だったのもありますが、今回のケースに関しまして、第三大臼歯の萌出を利用して第二大臼歯を再生させる治療法を選択いたしました。半埋伏状態である第2大臼歯を抜歯いたしました。経過は良好です。

20代女性の症例


補足:親知らずによって、第二大臼歯が歯根吸収を起しております。第二大臼歯が親知らずになることを期待して第二大臼歯を抜歯しました。

主訴 歯が痛い。食べ物が詰まると痛い。
治療回数 10回
治療計画 第二大臼歯が第三大臼歯(親知らず)に押されて歯根吸収しております。(CT検査より判明いたしました)
上顎第二大臼歯が保存困難歯(抜歯を行わないといけない歯)のため、抜歯いたしました。第三大臼歯(親知らず)を症例3と同様に移動するのを促して、抜歯した歯の代わりをしてもらう治療計画を立案いたしました。下顎第二大臼歯は失活歯(C4)で保存困難歯(抜歯を行わないといけない歯)になります。
治療費 抜歯の治療費(矯正の治療費はかかっておりません)
術者コメント まず保存困難の歯に関しまして、抜歯しました。親知らずが、第二大臼歯の歯根を吸収させていることが判明した為、親知らず(第三大臼歯)を抜歯するのではなく、手前の歯(第二大臼歯)を抜歯しました。
親知らずを抜歯してしまうとおそらく数年後には、第二大臼歯もなくなっていたであろうと推察されます。
今後は矯正治療のご希望があれば 、メインテナンスをしながら開始予定です。



20代女性の症例

主訴 歯が痛い。食べ物が詰まると痛い。
治療回数 6か月 10回
治療費 抜歯の治療費(8,800円)及び矯正の部分矯正治療費(350,000円)
術者コメント 親知らずの前の歯が保存困難な為、抜歯しました。親知らずを抜歯した箇所に矯正治療にて移動させて第二大臼歯が健全歯に生まれ変わりました。他の治療法では、歯牙移植という方法もありますが、一度歯を抜歯するため移植歯は失活します。矯正治療であれば、時間はかかりますが、生活歯の為失活歯と比較してより長持ちします。

術前

術後

まとめ

健康意識の高まりから、自己投資をする人が増えている気がします。状態の悪い歯を残すことは自己投資の観点と例えるならば、ご自身の体を蝕み、損をしている状態と同じです。ご自身にとってメリットがないのでかかりつけ医の歯科医師と相談をしてみてください。
抜歯依頼が多く、私としても嬉しい限りなのですが、インプラント治療はもっと得意です(笑)大学病院に勤務医として在籍していた時はインプラント治療に熱意と情熱を注いでおりました。今まで培ってきた知識・技術を患者様に貢献できればと考えております。抜歯の必要性をレントゲン写真・CT画像を用いて判断することで、予知性の高い診療が可能となります。ぜひお近くの先生とご相談いただけたら幸いです。

フィックスデンタルクリニック
院長 秋野 徳雄(DDS PhD)