小児歯科
pediatric
ポカン口(口唇閉鎖不全症)
「お口ポカン」という言葉をご存知でしょうか?
子供ポカン口(口唇閉鎖不全症)
【お口ポカン】という言葉を知っていますか。
読んで字の通り、いつもお口が空いている状態のことで、近年この症状を持つお子さんが増えています。
口唇を閉じる力である口唇閉鎖筋力の発達と関係があります。 口唇閉鎖力が弱くなると、口の中が乾燥してう蝕や歯周(歯肉炎)疾患などに罹患しやすくなります。
歯を取り囲んでいる口唇・頬と舌の力のバランスが崩れて歯並びやかみ合わせが崩れてしまうことがあります。
『お口ポカン』が怖いのは、さまざまなトラブルを引き起こすこと。
また、全身への弊害も示唆されていることから、早期からの積極的な対応が必要です。子どもの歯列成長を助けることを治療のゴールとしております。
口唇閉鎖不全症とは
日常的に口が開いている『お口ぽかん』の状態を、口唇閉鎖不全症(こうしんへいさふぜんしょう)といいます。
お子様が見た目の悪さから保護者様からの指摘で『お口ぽかん』の状態に気付くことがあります。
口唇閉鎖不全症の患者数はかなり多くいるといわれております。
口唇閉鎖不全について、2021年の調査で、全国の3歳から12歳の子ども3,399人中、有病率は30.7%が疑われたとのことでした。
口唇閉鎖不全は日常的に口が開いている状態を指しますが、それがただちに口呼吸を意味するわけではありません。しかし、口呼吸にはなりやすく、一方で口呼吸をしていれば、必ず口唇閉鎖不全があるといわれております。
口で呼吸をしていると集中力や学習・記憶能力にも影響が出てくるといわれております。

動物実験での報告ですが、【正常な鼻呼吸と比較して、鼻詰まりによる口呼吸は記憶力が落ちる】と報告されております。その他に【学習に問題がある子どもは口呼吸の割合が高い】とする海外の報告もあります。

咬む刺激で筋肉及び脳を刺激し活性化するといわれております。
★出っ歯等の不正咬合
★口臭の原因
★咀嚼(咬む)筋力の低下
★咀嚼(咬むこと)障害になり記憶・学習障害
★味覚の変化
口唇閉鎖力測定の重要性
「口唇閉鎖不全症」は安静時に口唇が開いている状態を指します。幼少期から適切な食習慣を身に着け、食行動に大きく影響する口唇閉鎖不全を検査いたします。
★骨格性不正により口唇閉鎖不全が起きているのか。
★歯列不正により口唇閉鎖不全が起きているのか。
★口唇周囲筋により口唇閉鎖不全が起きているのか。
早期に改善すれば小児の健全な発達との予防に繋がります。
さらに口呼吸、鼻閉、気動閉塞、いびき、アレルギーなどの軽症化の可能性も指摘されており、幼少期からの口唇閉鎖に関する簡単かつ客観的な検査は不可欠です。
小児の口唇閉鎖不全に関する調査をした結果、口唇閉鎖不全が疑われるお子様は増齢的に増加傾向があること。
また、顎顔面領域の形態だけではなく、口呼吸やアレルギー性鼻炎などとも関連していると報告されております。
検査方法:セファロ写真・口腔内写真(顔貌写真含む)・口唇閉鎖力測定を行い。原因の特定をいたします。
検査費用:7,700円(税込み)
骨格性の不正・歯列不正・口唇周囲筋によるもの又は複合的に起きているものか総合的に判断し改善を図ります。ご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。
骨格性の治療:アクチバトール 拡大床
歯列不正の治療:拡大床 マウスピース矯正 保隙装置
筋肉性由来の治療:筋機能矯正トレーニング 口輪筋トレーニング器具
骨格性の不正における治療方法:アクチバトール 拡大床
4歳~10歳から矯正治療を開始すればあごや顔貌の成長も促せるメリットがあります。あごの成長が完了する以前の抜歯矯正はあごや顔が萎縮したままでは、成長は期待できません。
■利点■
床矯正装置は入れ歯と類似した装置ですから、患者さんの都合により就学時、就業時に任意に装置を取り外すことができます。反面、床矯正治療は患者さんの治療に対する認識と協力が必要です。
ワイヤー矯正は装置をつけたままなので、むし歯に侵されやすい口腔環境になりますが、床矯正装置は取り外して歯のブラッシングができますから、口腔環境を良好に保ちやすいメリットがあります。
■欠点■
取り外せるため、装置の紛失や装置の未装着により、治療が進まないということがデメリットになります。1日に12時間以上の装置の装着は必要です。(筋肉性由来により骨格性の発育促成が阻害されているもしくは歯列不正が生じているケースに関しては筋機能矯正トレーニングを優先します。)
項目 | 金額 | |
---|---|---|
治療費 | 220,000円(税込み) | |
毎月1回 | 調整料 | |
平日 | ¥4,400 | |
土日 | ¥5,500 |
歯列不正の治療方法:小児マウスピース矯正
混合歯列期(乳歯と永久歯の交換期)にある子どものためのマウスピース型矯正装置です。
適応年齢は、約7~9歳の子どもと言われます。厳密には、上の前歯が生える時期となる混合歯列前期から使用でき、6歳臼歯及び前歯が4本以上萌出しているタイミング(専門用語では: Canine to Canine)が小児マウスピース矯正治療スタートのタイミングです。
症例.1


症例.2






メリット: 症例にもよりますが、成人矯正治療を行う場合一般的に約2年~3年(症例によってはそれ以上)の治療期間を要しますが、上下額犬歯から犬歯(専門用語では: Canine to Canine)が萌出のタイミング矯正をすると約5か月~約6か月で歯並びの劇的な改善が可能になります。ぜひ一度ご相談ください。
デメリット:顎骨の成長次第では再度矯正治療が必要な場合がある。
項目 | 金額 | |
---|---|---|
治療費 | 363,000円(税込み) | |
毎月1回 | 調整料 | |
平日 | 4,400円 | |
土日 | 5,500円 |
筋機能矯正トレーニング:習癖を改善させるために
口腔筋機能療法と呼ばれ、舌や口唇および顔面の筋肉など、口のまわりの筋肉 を強くして、バランスを良くし、正しく機能させるためのプログラムです。不正咬合の原因でもある舌癖や、口腔習癖を改善、口呼吸によるドライマウス(口腔乾燥症)を改善などを目的に、様々なプログラムがあります。また、筋機能矯正トレーニングでお顔の筋肉を鍛えることで、フェイスラインをスッキリ引き締める効果もあるといわれています。
項目 | 金額 | |
---|---|---|
口輪筋トレーニング器具 筋機能矯正トレーナーシステム | 88,000円(税込み) | |
筋機能矯正トレーナーシステム 破損・紛失による交換 | 36,300円 | |
毎月1回 | 調整料 | |
平日 | 4,400円 | |
土日 | 5,500円 |
毎日日中1 ~ 2時間と、夜間就寝時に装着してください。(治療の初期段階は、夜間就寝中に装置が外れることがあります。 このような場合は、日中の使用時間を増やしてください。)
治療のゴール :(成長を考慮した治療になります。)
• 鼻から呼吸できる。
• 舌(ベロ)は下顎ではなく上顎の安静位の位置に落ち着く。
• 嚥下時に口唇の筋肉に動きがない。
• 下顎前突の動きがなく安定している。
• 健康的な顎の発達が促されている。
• 歯列不正の改善がみられる。
• 矯正2期治療に移行しやすい状態に改善している。